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寝る

つねに眠い

久しぶりに本読んでるよ

小説家は、もちろん兼業の人もいるだろうけれど、基本的に頭の中で想像力を働かせてフィクションをつくってそれを読んでもらうことで日々の糧を得る生活者だ。
それがいい夢か悪夢かはさておき、自らも夢を見て、また人々にも夢をみてもらうことん生業とする生活者だ。しかし、わたしたちがある意味でそんなフィクションを生き、日々「夢みる生活者」でいられるのは、たとえば今回の震災や原発被害などで家を流され、故郷を、家族を失い、安堵からはほど遠く、このさきどのようにして生きてゆけばいいのか見当もつかないーーそれでも夢をみずにはいられない過酷な「現実」があるからで、その悲しみや苦しみ、とまどい、絶望が、わたしたちのこの生活を支えていることを、少なくともわたしは肝に銘じなければならないと、忘れてはならないとそう思っている。
川上未映子「ぜんぶの後に残るもの」より)